安部美妤(みよ)さん インタビュー

2014年11月08日

安部美妤さん写真1

FRANGIPANIフランジパニという花の名前を知っていますか?
デリーの街を走れば、あちこちでキリリとした白い花が目に入ります。
強い日差しの下で凛として咲く花は、インド女性の潔さや秘めた強さを感じさせます。
この花と同じ名前のギフトショップを営む日本人女性が、安部美妤さんです。
ダイア・パーク・プレミアホテル のホテルショップでお買い物された方も多いのではないでしょうか? 
インドの伝統工芸職人を支援するこのお店に込められた、安部さんの思いなどを伺ってみました。  

《プロフィール》

    栃木県宇都宮市出身。
1999年から2年間と2009年からの2年間、
奨学金を得て、インド古典舞踊バラタナティヤムを学ぶ。
現在、Frangipani Artisan Support Pvt.Ltd. 代表。
一女、一男の母。
能楽宝生流の仕舞も舞う。

Q. インドとの出会いは?
A. 20代で行き詰まった時に、インドに逃亡してきました。
当時、妹がタージマハルホテルで働いていたので、転がり込みました。
40代で行き詰まった時にも、子連れで逃亡してきましたので、
2回もインドに救われました。
インドは自分を見つめ直すのに最適な場所です。

Q. 留学されたそうですが?
A. 1999年から2年間、コーンノートプレース近くの「ガンダーラマハヴィディヤラヤ」という芸術学校でダンス奨学生でした。
2009年からの2年間は、クトゥブミナール近くの「ガネーサナティアラヤ」というバラタナティヤム学校のICCR(インド文化評議会)奨学生でした。
2010年、コモンウエルズゲーム開会式にも出演しました。

Q. バラタナティヤムについて、教えていただけますか?
A. アジアの踊りだけでなく、フラメンコのルーツもインド舞踊です。
北インドのカタックダンスを見ると、それが分かります。
インダス文明を担ったドラヴィダ人は南下し、南インドで独自の文化を作りました。
バラタナティヤムは、タミルナドゥ州を中心に、神への奉納舞として受け継がれました。
イギリス支配時には、ほぼ潰されましたが、20世紀の復興運動とともに、現在の舞台芸術になりました。
日本の “能” の “すり足” が、農耕民族として大地を敬い、大地を足裏で感じる歩行であるように、南インドの舞いでは、大地を踏み、自然と神を謳歌し賛美します。
ダンスの型が、心と身体の法則の理に適っており、”踊るヨガ” と言われる所以です。

Q. バラタナティヤムに魅せられた理由は?
A. 運動量が多いので、大量の汗がかけ、爽快感があり、体幹が鍛えられます。
巫女舞ですので、自分と場を浄化しながら自然エネルギーが自分を通じで表出する意識を持つと、自分と周りの “気” が自在に流れ始め、
自己が踊ることを超えた至福の感覚を得ます。

始めた頃は、振り付けを追うのに精一杯でしたが、
今は、踊りは祈りだと思います。

Q. 現在、バラタナティヤムに関しては、何か活動をされていますか?
A. デリー最大のバラタナティヤム学校「ガネーサナティアラヤ」に所属しています。
日本人バラタナティヤム愛好会「なでしこバラタ」世話役です。
ご興味のある方はご連絡ください。
火金午前、月木午後、水土午後、などのクラスがあります。
個人レッスンの先生も紹介できます。

Q. それでは次に、ビジネスについて伺います。
ビジネスを始められたきっかけは?
A. インドで生きるためです。
外国人が労働ビザを得るための最低賃金(年収25000US$) を稼ぎ出さないといけません。
そこで、2011年に会社を作り、日印文化交流に繋がるようにと、工芸品紹介のお店を始めました。

Q. ビジネスでは、どんなご苦労がありますか?
A. 日本では主婦でしたので、ビジネスについて全く無知でした。
その上、無防備でお人好しのため、次々事件や問題に巻き込まれました。
でも原因を探ると、自分の依存心や自信の無さ、無知に気づき、自分を見直す事ができました。
今は、何が起きても心を乱さず、
インドで起きる問題の全ては自分を成長させてくれる、ありがたいもの、と考えるように努めています。

Q. お勧めの商品は、どんなものでしょうか?
A. カーペット、伝統工芸画、それからパシュミナですね。
どれも、質の良いものばかりです。
カシミール州のシルクカーペットは世界最高峰の芸術工芸品です。
ここ数年で工房が激減していますので、お持ちになるだけで財産になります。
カーペットより見極めが難しいのがパシュミナストールです。
私が皆様にお繋ぎしているのは、スリナガルの工芸学校卒業生で、職人の末端の賃金体系を総見直しし、小さな革命を起こそうとしている若手メンバー達で、彼らのところにまた若手のパシュミナ手織り工芸家が集まり出しています。
織り師の名前も分かっていますので、間違いありません。
絵画もたくさんオーダーを頂いております。
工芸職人との関係を大切にしているお蔭で、石、真鍮、紙工芸、他オリジナルの物を作ってもらえますので、お問い合わせください。

Q. インド初心者へのアドバイスをお願いします。
A. インドは、自分と社会から刷り込んできた物の考え方、見方を一度洗い流し、
幸せとは何かを考え直せる絶好の場と、前向きに考えてください。
次から次に起こる日常の問題に自分がどう反応しているかを追ううちに、
自分を知り、「どんな状況下でも心の平安を得る力」が付いてくると思います。

また、アジア文化のルーツの国ですので、滞在中に、インドの歌や楽器やダンスに触れてください。国宝級アーティストの公演が無料なのもありがたいです。
デリーの三大劇場
カマニオーディトリアム  http://www.kamaniauditorium.org/schedule.html
インディアハビタットセンター http://www.indiahabitat.org/calenmain.htm
インディアインターナショナルセンターhttp://www.iicdelhi.nic.in/User_Panel/Programs.aspx?TypeID=1077
グルガオンのエピセンター http://www.epicentre.co.in/events_dairy.php
毎日どこかの劇場で公演があります。
イベント情報サイトでもチェックできます。http://www.delhievents.com/

Q. 最後に、将来の夢は?
A. 心を磨いて精神の解脱に近付きたいです。
良い踊り手になること。
そして、日印文化交流のお役に立つこと。

安部さんの波乱万丈な人生や古典舞踊に寄せる深い思いを伺っているうちに、
あっと言う間に2時間以上が過ぎていました。
人間が本来持っている感覚を磨き、日々、自分と向き合っている姿勢には学ぶところが多く、
安部さんの魅力をより深めているようでした。
是非一度、FRANGIPANIを覗いてみてください。

《FRANGIPANIのご紹介》
Art & Craft Shop ; Dia Park Premier Hotel, 353-357, Sector-29,
City Center, Gurgaon, Haryana 122001
営業時間 午後1時から午後10時(月曜は午後7時から午後10時)
Phone ; +91-124-4014339

Office : C-5, Bhim Nagri, Hauz Khas, New Delhi – 110016
Phone ; +91-11-26524875
E-mail ; mail@frangipani-india.com

商品に関するお問合せやリクエストを始め、
お土産や粗品など各種アレンジにも対応していただけます。

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